健康診断にはどんな種類がありますか。
- 2014.12.10
健康診断は労働安全衛生法などで事業者に実施が義務付けられている一般健康診断(労働安全衛生法第66条第1項)と特殊健康診断(労働安全衛生法第66条第2・3項)の2種類に加え行政指導による健康診断の3種類があります。
各種健康診断結果報告書の報告書様式
下記の厚生労働省サイトより、ダウンロードできます。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei36/18.html
一般健康診断
一般健康診断の種類 | 対象者 | 根拠条文 |
---|---|---|
雇入時の健康診断 | 常時使用する労働者を雇い入れる際 | 労働安全衛生規則第43条 |
定期健康診断 | 常時使用する労働者に1年以内毎に1回 | 労働安全衛生規則第44条 |
特定業務従事者に対する健康診断 | 常時使用する労働者で安衛則第13条第1項第2号の業務に従事する労働者に対して配置換えの際及びその6月以内毎 | 労働安全衛生規則第45条 |
海外派遣者の健康診断 | 労働者を6か月以上海外に派遣する際及び6か月以上海外に派遣した労働者を帰国させ国内の業務に就かせる際に実施 | 労働安全衛生規則第45条の2 |
給食事業者の検便 | 給食従業員を雇い入れの際、当該業務へ配置替えの際に実施 | 労働安全衛生規則第47条 |
特殊健康診断
労働衛生対策上、特に有害であるといわれている業務に従事する労働者等を対象として実施する健康診断で、有害業務に起因する健康障害の状況を調べる健康診断。
常時従事する労働者に対しては雇入れの際、当該業務への配置換えの際、及びその後6月以内毎に1回定期に健康診断を実施する。
特殊健康診断の種類 | 対象者・対象業務 | 根拠条文 |
---|---|---|
歯科健康診断 | 塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、弗(ふつ)化水素、黄りん、その他歯又はその支持組織に有害な物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務 | 労働安全衛生規則第48条 |
じん肺健康診断 | じん肺施行規則別表に掲げる粉じん作業に常時従事、または従事したことがある労働者 | じん肺法第3条、第7~第9条の2 |
有機溶剤健康診断 | 一定の有機溶剤業務(安衛法施行令第22条第1項第6号)に常時従事する労働者 | 有機溶剤中毒予防規則第29条 |
特定化学物質健康診断 |
|
特定化学物質等障害予防規則第39条 |
石綿健康診断 |
|
石綿障害予防規則第40条 |
鉛健康診断 | 鉛等を取扱う業務に常時従事する労働者(安衛法施行令第22条第1項第6号) | 鉛中毒予防規則第53条 |
四アルキル鉛健康診断 | 四アルキル鉛等業務に常時従事する労働者(安衛法施行令 第22条第1項第5号) | 四アルキル鉛中毒予防規則第22条 |
電離放射線健康診断 | 放射線業務に常時従事する労働者で管理区域に立ち入る者(安衛法施行令第22条第1項第2号) | 電離放射線障害防止規則第56条 |
高気圧健康診断 | 高圧室内業務又は潜水業務(安衛法施行令第22条第1項第1号) | 高気圧作業安全衛生規則第38条 |
行政指導によるおもな健康診断
VDT健康診断(基発0712第3号)、騒音健康診断(基発第546号)、腰痛健康診断(基発第0618第1号)等計30の業務について行政指導による健康診断が定められています。
1 | 紫外線・赤外線にさらされる業務 |
---|---|
2 | マンガン化合物(塩基性酸化マンガンに限る)を取り扱う業務、またはそのガス、蒸気もしくは粉塵を発散させる場所における業務 |
3 | 黄りんを取り扱う業務、または燐の化合物のガス、蒸気もしくは粉塵を発散する場所における業務 |
4 | 有機りん剤を取り扱う業務または、そのガス、蒸気もしくは粉塵を発散する場所における業務 |
5 | 亜硫酸ガスを発散する場所における業務 |
6 | 二硫化炭素を取り扱う業務または、そのガスを発散する場所における業務(有機溶剤を除く) |
7 | ベンゼンのニトロアミド化合物を取り扱う業務またはそれらのガス、蒸気もしくは粉塵を発散する場所における業務 |
8 | 脂肪族の塩化または臭化化合物(有機溶剤を除く)を取り扱う業務またはそれらのガス、蒸気もしくは粉塵を発散する場所における業務 |
9 | 砒素または、その化合物を取り扱う業務またはそのガス、蒸気もしくは粉塵を発散する場所における業務 |
10 | フェニル水銀化合物を取り扱う業務またはそのガス、蒸気もしくは粉塵を発散する場所における業務 |
11 | アルキル水銀化合物を取り扱う業務またはそのガス、蒸気もしくは粉塵を発散する場所における業務 |
12 | クロルナフタリンを取り扱う業務またはそのガス、蒸気もしくは粉塵を発散する場所における業務 |
13 | 沃素を取り扱う業務またはそのガス、蒸気もしくは粉塵を発散する場所における業務 |
14 | 米杉、ネズコ、リョウブまたはラワンの粉塵等を発散する場所における業務 |
15 | 超音波溶着機を取り扱う業務 |
16 | メチレンジフェニルイソシアネートを取り扱う業務またはこのガス、もしくは蒸気を発散する場所における業務 |
17 | フェザーミル等飼肥料製造工程における業務 |
18 | クロルプロマジン等フェノチアジン系薬剤を取り扱う業務 |
19 | キーパンチャーの業務 |
20 | 都市ガス配管工事業務 |
21 | 地下駐車場における業務 |
22 | チェーンソー使用による身体に著しい振動を与える業務 |
23 | チェーンソー以外の振動工具(削岩機等)の取り扱い業務 |
24 | 重量物取り扱い業務 |
25 | 金銭登録の業務 |
26 | 引金付工具を取り扱う業務 |
27 | VDT作業 |
28 | レーザー機器を取り扱う業務またはレーザー光線にさらされるおそれのある業務 |
29 | 半導体製造工程における業務 |
30 | 騒音作業 |
パート・アルバイトについても、次の1~3までのいずれかで、一週間の所定労働時間が、同種の業務に従事する通常の労働者の4分の3以上であるときは、健康診断を実施する必要があります。また、概ね2分の1以上であるときは、実施することが望ましいとされています。
- 雇用期間の定めない者
- 雇用期間の定めはあるが、契約の更新により1年以上使用される予定の者
- 雇用期間の定めはあるが、契約の更新により1年以上引き続き使用されている者
特定業務従事者にあっては1、2の期間は6月になる