破傷風ワクチン(DPTワクチン)の勧め~事例より
- 2016.07.11
- サナシオクリニックからのお知らせ
数カ月前、破傷風の患者さんの症例がありましたのでご紹介致します。
嚥下困難を訴える70歳半ばの女性が外来を受診してきた。
食べ物も水のような液体も通らないという。
アカラシアだろうか?食道癌だろうか?緊急検査でデーターを待つ間に緊急内視鏡をする事にした、
今まで何万例も上部内視鏡検査は実施した経験があるが、内視鏡を挿入出来なかった症例は検査に協力して貰えなかった数例に過ぎない。しかし、この方は検査には協力的だったが挿入不可能だったので中止する事にした。
軽度の開口障害もあるようだったので、球麻痺を考えて脳神経外科に紹介し、脳神経外科で入院する事になった。その後、MRI等でも異常はなく、3次病院に転院となった。
3次病院では点滴で様子観察をしていたが、徐々に症状は回復して退院となった。診断は症状から破傷風であった。
数日後、友人の麻酔科専門医に偶然会ったので、この話をしたら、私は初めての症例だったが、破傷風で呼吸困難の症例を2例ほど経験し、挿管したことがあるという。
破傷風は毒素による症状なので抗生物質は効果がなく、免疫グロブリンが治療に用いられる。
破傷風菌は常在で土中にいる。気が付かないようなかすり傷で感染して症状が出る事が多い。予防はワクチンしかなく、以前にワクチンをしていれば10年程度は効果が続くといわれている。
海外旅行、屋外作業をする方などには必須のワクチンだと思う。
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