『事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン』について
- 2017.04.24
- サナシオからのお知らせ
近年、がん医療の診断技術や治療方法の進歩により、がん患者の生存率は向上してきており、がん治療も入院治療から外来治療へとシフトしている。
また、平成22年国民生活基礎調査に基づく推計によれば悪性新生物の治療のため、仕事を持ちながら通院している者は約32.5万人いるとされている。
これらの状況から平成28年2月23日に厚生労働省から「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」が公表されました。
このガイドラインは、事業場が、がん、脳卒中などの疾病を抱える方々に対して、適切な就業上の措置や治療に対する配慮を行い、治療と職業生活が両立できるようにするため、事業場における取組などをまとめたものです。
ガイドラインでは、職場における意識啓発のための研修や治療と職業生活を両立しやすい休暇制度・勤務制度の導入などの環境整備、治療と職業生活の両立支援の進め方に加え、特に「がん」について留意すべき事項をとりまとめています。
また、平成29年3月には脳卒中と肝疾患に関する基礎情報と各疾患について特に留意すべき事項がガイドラインに追加されました。
《 ガイドラインのポイント 》
●治療と職業生活の両立支援を行うための環境整備
●労働者や管理職に対する研修などによる意識啓発
●労働者が安心して相談・申出を行える相談窓口を明確化
●時間単位の休暇制度、時差出勤制度などを検討・導入
●主治医に対して業務内容などを提供するための様式や、主治医から就業上の措置などに関する意見を求めるための様式を整備
<治療と職業生活の両立支援の進め方>
・労働者が事業者に支援を求める申出(主治医による配慮事項などに関する意見書を提出)
・事業者が必要な措置や配慮について産業医などから意見を聴取
・事業者が就業上の措置などを決定・実施(「両立支援プラン」の作成が望ましい)
<がんに関する留意事項>
・治療の長期化や予期せぬ副作用による影響に応じた対応の必要性
・がんの診断を受けた労働者のメンタルヘルス面へ配慮
<脳卒中に関する留意事項>
・再発等予防・治療のための配慮
・障害特性に応じた配慮
・復職後の職場適応とメンタルヘルス
<肝疾患に関する留意事項>
・肝疾患の特徴を踏まえた対応
・肝疾患に対する不正確な理解・知識に伴う問題への対応
詳細は厚生労働省HPをご参照下さい。