減圧症について
- 2016.07.19
- サナシオクリニックからのお知らせ
減圧症について
月曜の朝、外来をしていると若い女性が減圧症ではないかと受診をしてきた。軽い吐き気、頭痛、倦怠感があるという。
昨日、高知でダイビングをして、今朝、高知から帰ってきたという。
減圧症に特徴的な関節の痛みや体を動かしたときの痛みなどはない。バイタルも正常。
ダイビング内容について聞いてみると、場所は高知沖、ダイビング深度は約30mとやや深め、減圧はダイブコンピューターに従っているという。
多分、飛行機の移動による飛行機内の気圧低下(0.74気圧)が症状を悪化させたのではないかと考えて、ダイビング後、飛行機に搭乗するまでは18時間位空けるのが普通だが、何時間空けたのかを聞いてみた。答えは、飛行機は使用せず、車で帰ってきたという。高知から関西まで高速道路はあるが結構、遠い。
多分、ダイビングで疲れ切った上に、夜間の長時間ドライブが影響したものと考えられた。
減圧症の診断は症状によるが、バイタル、酸素飽和度、血液検査が正常だったので、点滴だけをすることにしたが、安静と補液により症状は回復した。
最近、中高年のダイバーも増加しているが、運動量は6~8METs程度あり、かなりの速度でジョギングが出来る体力がなければ難しい。疲労蓄積や脱水にも気を付けたい。
この時、もしも減圧症だった場合を考えて、すぐに減圧室のある病院を調べてみたが、本格的な施設は関西にはなさそうで、呉や舞鶴に施設があるが、これは自衛隊のもので自費になっている。
関東には本格的な治療施設があるので、関東で治療する方がよさそうだが、飛行機は症状悪化させるので使用する事が難しい。
夏本番でダイビングを楽しむ方も多いと思われるが、減圧や体調管理には充分な注意が必要と思う。
サナシオクリニック