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高山病について

5月に入りGWも過ぎると夏のレジャー計画を立てはじめるころかと思います。
最近は山登りブームに加え富士山が世界遺産に指定されたこともあり、山登り初心者の方が富士山へチャレンジされようという方も多くなってきました。登山 山登り

 

そこで今回は❝高山病❞について触れたいと思います。

今までは訓練された方や体力のある方しか登山を行わなかったのですが近年の登山ブームにより体力がない方や高齢者の方、更にお子さんまでもが富士山など高度の高い山を登るようになりました。

日本の山なので大丈夫だと思っているかもしれませんが体力のない方でしたら1500メートルを超えたくらいから高山病になる危険性があるとされています。

 

日本旅行医学会によると2012年と2013年の8月に富士山を訪れた児童245人に聞き取りを行い、134人が高山病の症状を訴え、更に内122人は頂上まで登ることを断念し、下山していたとの報告があります。

 

高山病とは

高山病の最大の原因は、酸素不足です。高度があがると気圧が低くなるのですが気圧が低くなると空気に含まれている酸素の量も減ります。地上の気圧を100%とすると3000メートル(富士山クラス)で約70%となり、体内の酸素量は50%とになるいわれています。この酸素不足に対する不適応症状を急性高山病といいます。

 

症状と診断

急性高山病は、大抵の場合頭痛から始まります。そして軽度のふらつき感、特に運動時における息切れなどがあります。これらに続いて食欲不振、吐き気と嘔吐などが起こり、疲労感、脱力感、神経過敏を伴います。急性高山病の症状を『二日酔いのよう』、と表現する人もいます。高地で泊まると、睡眠障害が起こることがあります。症状は24〜36時間続きます。急性高山病はより重症なタイプの高山病に進行することもあります。

頭痛 しゃがむ

高所浮腫では、手、足や、起きているときには顔に腫れがみられます。腫れのために軽い不快感が生じますが、数日で治まります。

高所肺浮腫は、数時間の間に軽い症状から命にかかわる症状に進行することがあります症状はしばしば高地に来てから2日目の夜に発症し、夜間に悪化して、重症型に進行していきます。軽い症状では、乾いたせきや軽い動作後の息切れがみられます。中程度の症状には、安静時での息切れ、錯乱、たんがピンク色になったり血が混じる、微熱、皮膚・唇・爪が青くなる(チアノーゼ)などがあります。重度の症状には、あえぎや呼吸時にゴボゴボという音が聞こえることがあります。

高所脳浮腫では、軽いタイプの高山病と同じ症状を示しますが、症状は重くなります。頭痛、錯乱、歩行時にフラフラするなどの体の不調和(運動失調)、昏睡状態があります。数時間以内に軽い症状から命にかかわる状態まで急速に進行します。

治療

急性高山病を起こした人は、それ以上高度を上げずに、休まなくてはなりません。症状がなくなるまで、それ以上高い所に行くべきではありません。
急性高山病の多くは1~2日で治ります。アセタゾラミド、またはデキサメタゾンなどのコルチコステロイド薬が、症状を緩和します。アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、頭痛を緩和します。
症状が重い場合は、フェースマスクで酸素を供給します。酸素の吸入ができない場合や治療を行っても症状が改善されない場合は、できれば750メートルよりも低い所に戻るようにします。
高所脳浮腫が起こったら、できるだけ速やかに低地に搬送し、酸素を吸入させデキサメタゾンを投与します。

予防

まずは体調を整えるようにします。前日の暴飲暴食は避け、睡眠はしっかりとるよ休憩うにしてください。そして高山病を予防するには、ゆっくり登るのが最良の方法です。高山病の初期症状が現れた場合は、登るペースを落とすかそれ以上登らないようにします。無理は禁物です!!

高地に到着後1~2日間は激しい運動を避けるようにします。炭水化物を多く含んだ食事を、少量ずつ頻繁に摂取することや、1日3.8リットルのカフェインを含まない飲料を飲むなども予防効果があります。アルコールや鎮痛薬は、急性高山病に似た症状を起こすので避けましょう。

登る前にアセタゾラミド(ダイアモックス)を服用すると、高山病の予防になりますし、高山病になってからも服用によって症状が軽減されます。

 

アセタゾラミド(ダイアモックス)について ~サナシオクリニック~

高山病の予防として、ダイアモックスという錠剤を24時間前より到着後3日間に1回125mg(0.5 錠)を1 日 2 回朝夕(10時間程度間隔をあて)内服します。
また予防の有無に関わらず高山病の症状が見られた場合には、上記のダイアモックスを 1回 250mg(1 錠)で 1 日 2 回朝夕に内服することで治療的な効果が得られます。ただし、症状が不変又は悪化する場合には、躊躇せずに下山することも重要です。この薬に対するアレルギー反応は稀ですが、アセタゾラミドはスルフォンアミド化合物であるため、サルファ剤にアレルギーのある方の服用はおやめください。また、降圧剤を服用中の方は血圧が下がりすぎることがありますので注意が必要です。

ダイアモックス

ダイアモックス

※サナシオクリニックでは小児への処方はしておりません

 

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